ニュージーランド在住20年のあどぼうずです。
前回の息子がいじめにあったときのお話の続きです。
わたしは息子が学校でいじめにあった時に、3者にいじめ報告をメールで送りました。3者とは、
- 担任あて
- 校長先生あて
- 学校理事会あて
です。
まだ前回の記事をお読みになっていない方は、こちらをどうぞ。
- 息子がニュージーランドの学校でいじめにあった話
- 息子がニュージーランドの学校でいじめにあったとき|いじめ報告のプロセス
今回は、わたしが書いた息子のいじめ報告の英文メールを公開します。
お子さんがニュージーランドに留学している保護者の人たちが、いじめ報告のメールを書く必要がないことを切に願っています。でも、もし必要なときは、コピペしてぜひ活用してください。
いじめ報告のメールの作り方
わたしは、学校側へのいじめ報告をGoogleドキュメントで作りました。ワードでもなんでもかまいません。
できれば、いじめ報告はドキュメント1ページに収められるように作ったほうがよいと思います。そのドキュメントをメールに添付して学校側に送りました。なので、いじめ報告書をダウンロードして読む学校側が、1ページだけのほうが読みやすいかなと思ったからです。
いじめ報告を書くときのポイント2つ
まず、いじめ報告を書いたときに、わたしが気をつけたポイント2つをお話します。
ポイント①:証拠、証拠、証拠
学校側にメールでいじめ報告をする利点は、証拠が残るということです。
いじめられた側の保護者が、いつ、誰あてに、どんな内容のメールを送ったかが、メールの履歴として残ります。また、設定をすれば、受信者(この場合は学校側)がメールを開封したかも確認できますよね。
いじめられている時期は、今後いじめが収まるのか、もっとひどくなっていくのか判断できません。いじめがひどくなったときに、学校や警察などが、いじめの調査をするかもしれません。
もしもの時にそなえ、証拠になりそうなものは形にして残しておいたほうがいいです。
これは、ニュージーランドのママ友の娘さんがいじめられていたときの話です。
その娘さんは、放課後通学バスに乗って帰宅するのですが、降りるバス停で4,5人の女の子に待ち伏せされていました。それを知ったママ友は、娘さんが通学バスがつく前に、バス停で待つようにしていました。
あるとき、そのママ友がバス停に着くのが、少し遅れてしまいました。そのとき、待ち伏せしていたいじめっ子たちが、まだバスの中にいる娘さんに向かって、おどし文句をどなり始めました。娘さんは怖くて、ママ友が迎えに行くまでバスから降りられなかったそうです。警察に訴えたのですが、「証拠がないと、なにもできない」と言われてしまいました。
ある日、また同じことがあり、いじめっ子たちがまだバスから降りない彼女に向って、どなり始めました。今度はその娘さんは、自分のスマホで一部始終を録画し、バスの運転手さんに目撃者となってもらい、警察に報告しに行きました。今度は、証拠があるので警察も動いてくれたそうです。
わたしの息子は、youtubeチャンネルにも、いじめっ子からひどいコメントを書き込まれていました。わたしは、書き込まれたネットいじめのコメントをスクリーンショットに撮って、学校あてのメールに添付して送りました。
ポイント②:できるかぎり日付を入れる
わたしが、ニュージーランドの学校あてにいじめ報告を書いたときに気をつけたことの2つ目のポイントは、できるかぎり日付を入れるということです。
これもポイント①に関係しますが、証拠になります。日付を入れることによって、
- いじめがどれくらい続いているのか
- 学校側も状況判断しやすい
- 学校側の対応の早さや遅さが把握できる
などの利点があります。
いじめ報告のメールを今すぐ作る必要がなくても、日ごろから記録をつけておくとよいと思います。
- いじめの発端が「キャンプで泣いた」ということー>キャンプのあった日付
- おが屑をかけられたー>〇月〇日5,6時間目の技術の時間
- youtubeのコメントー>コメントを書かれた日付
などを、いじめ報告のメールに書きました。
わたしが書いたいじめ報告のドキュメント
上の画像は、わたしが校長先生あてに書いた息子のいじめ報告の英文ドキュメントです。(名前等は変えてあります。)このドキュメントをもとに、説明していきます。
いじめ報告の内容
いじめ報告の英文ドキュメントの内容を見ていきましょう。
(A)手紙を書いた日付
(B)いじめを受けた子供の親の名前と住所
(C)子供が通っている学校の校長先生の名前と学校の住所
(D)いじめを受けた子供の親の名前
①いじめを受けた子供のフルネーム
②その子供のクラス
③保護者が子供のいじめを知った日付け
④いじめた子のフルネーム
⑤いじめが始まった時期
⑥どんないじめをされたか
⑦締めはポジティブなコメント
では、それぞれの項目を詳しく説明していきます。
(A)~(D):書式に関すること
(A)手紙を書いた日付け
(A)は、いじめ報告のドキュメントを作成した日付です。グーグルドキュメントのヘッダー欄の右端に入れました。
(B)いじめを受けた子供の親の名前と住所
いじめをうけた子供の保護者のフルネームと住所を、まず最初に書きます。わたしの場合は、主人とわたしのフルネームです。
(C)子供が通っている学校の校長先生の名前と学校の住所
子供が通っている学校の校長先生の名前と学校の住所を記載します。
担任の先生あてなら、Mrs./Miss./Mr.などのあとに、担任の先生の苗字を書きます。
Mr. Nicolson(担任の先生の名前)
ABC High School(学校の名前)
10 Abc Street, Auckland(学校の住所)
New Zealand 9876
学校理事会あてなら、Mrs./Miss./Mr.などのあとに、学校理事会長の苗字を書きます。
Mrs. Anderson(学校理事会長の名前)
Board of Trustees Chairperson of ABC High School(理事会長の役職名)
10 Abc Street, Auckland(住所)
New Zealand 9876 *通常、学校理事会の住所は学校の住所と同じです。
(D)いじめを受けた子供の親の名前
文章の最後に、いじめを受けた子供の保護者の名前を書きます。名前の上の「Sincerely」は、日本語でいう「敬具」のような意味です。
①~⑦:いじめ報告の本文内容
①②いじめを受けた子供のフルネームとクラス
冒頭の①②では、いじめをうけている自分の子供のフルネームとクラス名を書き、このメールを書いている保護者の自己紹介をします。
I am the mother of Jimmy Smith who is in Room 11 class.
(わたしはルーム11のJimmy Smithの母親です。)
Unfortunately, ~~
(残念なことに、いじめを受けていることを報告しなければなりません。)
③保護者が子供のいじめを知った日付け
③では、保護者が子供のいじめを知った最初の日を書きます。
Jimmy first mentioned about being bullied to me on 5th June 2016.
(Jimmyが最初にいじめのことを話してくれたのは、2016年の6月5日でした。)
詳しい日付を覚えていなければ、学期でも月でもいいでしょう。
in May 2016(2016年5月)
at Term 3 this year (今年の3学期)など。
④いじめた子のフルネーム
④では、いじめた子のフルネームを書きます。ひとりではないかもしれません。お子さんによく話を聞き、首謀者を見極めて書きましょう。
このメールを学校側に送るということは、いじめっ子として名前を書かれた子供たちは、学校に呼び出される可能性が大きいです。なので、あまりいじめに加わっていない取り巻き連中の子供の名前まで書いてしまうのは、あまり得策ではありません。あとで、よけい恨みを買うかもしれないからです。
Ken Muir and Gary Tipps started picking on Jimmy ~~
(Ken MuirとGary TippsがJimmyのことをからかい始めました。)
⑤いじめが始まった時期
⑤では、いじめが始まった時期を書きます。
Ken Muir and Gary Tipps started picking on Jimmy at Term 2 this year.
(今年の2学期に、Ken MuirとGary TippsがJimmyのことをからかい始めました。)
⑥どんないじめをされたか
⑥では、どんないじめをされたかを書きます。これは子供によって違いますが、今回はわたしの息子がうけたいじめについて書いてあります。
Ken gave him a kind of racial comments to Jimmy.
(Kenはうちの息子Jimmyに対して、人種差別的なことを言いました。)
Also, I found out Gary is cyberbullying to Jimmy.
(また、Garyがネットいじめをしていたことも分りました。)
Today, (22 July 2016) during Wood work time Ken and Gary threw sawdust at Jimmy.
(今日、KenとGaryが技術の時間に、息子におが屑をかけました。)
Ken punched Jimmy’s arm and Gary attempted to punch him (but Jimmy ran away.) without any reason.
(Kenは理由もないのに息子の腕を殴り、Garyも殴ろうとしました。息子は逃げたので、殴られませんでしたが。)
This is his first time to been physically bullied at school.
(息子が、肉体的にいじめを受けるのは、これが初めてのことです。)
⑦締めはポジティブなコメントで
保護者として、自分の子供に対してされた無意味ないじめは、本当に悲しいし、頭にくるし、学校側を思いっきり批判したくなります。でも、ここはぐっとこらえて、文末はなるべくポジティブに締めくくりましょう。
送ったいじめ報告のメールを読んで、学校側がいじめ問題に対処していくことになります。なので攻撃的なことを書くと、いじめられている側とはいえ、学校からの印象が悪くなり、子供のいじめに真摯に対応してくれないかもしれないからです。
I am very worries about Jimmy.
(保護者として、本当に息子のことが心配です。)
I hope the school will take quick action, so my son can enjoy and benefit from school and be preparing to start high school next year.
(学校側が、このいじめに関して早急に対応をしてくれることを期待しています。そうすれば、息子は学校生活を楽しめるし、来年からの高校生活に向けての準備ができるようになります。)
以上、わたしの息子がニュージーランドの学校でいじめにあったときに、わたしが書いた英文メールのお話でした。長文お読みいただき、ありがとうございました。
最後に、オリジナルのドキュメントを貼っておきます。 ニュージーランドに留学するみなさんは、いじめ報告のドキュメントを使う日がきませんように。