ニュージーランド在住20年のあどぼうずです。
わたしは更年期、息子は思春期、おまけにリモート(遠隔)子育ての真っ只中です。ふたりの息子はニュージーランド国内の男子高校寮に入っています。
今回はニュージーランドへ英語の勉強をしにくる日本人留学生のために、コミュ力強化の方法をお話します。
日本人留学生の特徴
この記事の本題ではないので詳しく書きませんが、わたしはニュージーランドの学校で働いていたことがあります。そんな経歴から、ニュージーランドの学校で日本人留学生と会う機会が多くありました。
そこで、わたしが気付いたことは、日本人留学生は「孤立している」「日本人同士でつるむ」傾向があるということです。
ニュージーランドに留学してくるくらいですから、英語能力は低くないはずです。でも、ニュージーランド人の輪の中に入っていけないのはどうしてでしょう。
英語できないし……
英語力ではありません。コミュ力が低いからではないでしょうか。
そこで、英語力もコミュ力も低いけど20年ニュージーランドに住んでいるわたしの経験から、「コミュ力強化5つの方法」をお話していきます。
コミュ力強化(1)得意なことが1つでもあればいい
コミュ力強化の第一歩は、なんでもいいから1つ得意なことや好きなことを見つけることです。なんでもいいのです。ただし、ニュージーランドの高校に留学する前に、見つけてきてください。
- 足が速い(運動会で一目置かれる)
- LEGOが好き(英語圏にもマニアがいる)
- 洋楽が好き(英語の音楽が共通の話題になる)
- スポーツをする(クラブに入ってチームメイトと仲良くなる)
- 犬や猫が好き(ペットの話で盛り上がる)
- fortniteをやっている(このゲームのことなら、一晩中語り明かせる)
- ファッションブランドに詳しい(ファッション好きな子と話せる)など
得意なことや好きなことがあれば、共通の話題で話せます。共通の話題があれば、英語の文法力や語彙力が少しくらい足りなくたって大丈夫です。
反対に、わたしたちの母国語の日本語で考えてみてください。「法律」ことなど分からないわたしが、日本語で法律用語ばかりで話されてもまったく理解できません。
コミュ力強化(2)初日が勝負
コミュ力強化のために、大切なことは「初日」の対応です。20年以上も前に日本で転職セミナーに参加したときに、講師の人に言われたことを今でも覚えています。
人の第一印象は「数秒」で決まる。その第一印象を翻すには「数十時間」かかる。
第一印象をくつがえすというのは大変なことだということです。
もし、留学生のみなさんが留学先の高校に通い始める初日に「暗い顔で下を向き、誰とも話さない」としましょう。それがみなさんの第一印象になってしまうのです。英語力は関係ないですよね。
身だしなみに気をつける
初めての人に会う、初めて学校に登校するという日には、とくに身だしなみに気をつけましょう。
- 制服はきちんと着ていますか。
- 靴はきれいですか。
- 髪の毛は整えてありますか。
- ひげは剃ってありますか。
「私の中身を見てよ!」と思うかもしれません。でもそれは、初対面では通用しません。第一印象のほとんどは「見た目」で決まってしまうのです。『人は見た目が9割』なんて本も出ているくらいです。まずは身だしなみから整えていきましょう。英語力なんてまったく関係ないのです。
表情は明るく
明るい表情で人と接しましょう。下を向いて不愛想な人と、誰が話したいと思いますか。英語力以前の話です。とくに初日は、いつもよりハイテンションで笑顔を絶やさずいきましょう。
ひとりだれかに話しかける
初日に、誰かに話しかけましょう。ひとりだけでいいのです。「Hi, I am (あなたの名前)」だけでもいいのです。誰とも話さず「コミュ力ゼロ」の烙印を押されるより、「誰かと話した」という第一印象を持ってもらえます。初日に話した人に、翌日「おはよう」と言ってみましょう。
コミュ力強化(3)HelloとあいさつされたらHelloで返せ
「HelloとあいさつされたらHelloで返す」って、当たり前のことですよね。それがですね、非英語圏から来た留学生の中には、Helloと言われてもHelloと返事をできない高校生もいるのです。恥ずかしくて、下を向いて小さな声でモゴモゴHelloというのはやめましょう。
息子から聞いたちょっと信じられない話をします。
息子の同学年に、アジア人の留学生がいます。息子のニュージーランド人の友達が、そのアジア人の留学生にHelloとあいさつをしました。そうしたら、なんとその留学生にいきなり顔を殴られたそうです。「Helloとあいさつされてパンチで返す」ってなんなのでしょうか。慣れない異国の留学生活でストレスMAXだったのでしょうか。
不規則動詞や仮定法などの英語文法うんぬんの前に、あいさつの「Hello」は忘れないでください。「Hello」は英語でのコミュ力の基本の基本です。
コミュ力強化(4)相づちには形容詞を使いまくれ
英会話でのコミュ力アップのために「形容詞」で相づちを打ちましょう。
わたしは、英会話を20代半ばから始めました。英会話を習いたてのころは、なんでもかんでも「great!」を連発していました。今から振り返ると、的外れなところでも「great!」と言っていました。
みなさんは、まだ高校生です。「旅の恥はかき捨て」です。どんどん形容詞を使ってコミュ力を鍛えていきましょう。会話は、「聞く」ことも大切です。英語を「話す」ことばかりに気を取られないで、相づち英語も覚えましょう。上手な相づちはコミュ力が高い証拠です。
- 友達が新しいスマホを買って見せてくれた。cool!(いいね!)
- 友達が可愛い洋服を着ていた。pretty!(可愛い!)
- かわいい赤ちゃんを見た。so cute!(とっても可愛い!)
- 友達が疲れているみたい。tired?(疲れた?)
- 友達がおごってくれた。sweet! Thanks. (ありがと!)
- 友達が100点取った。great!/awesome!(すごい!)
(注)「sweet」の本来の意味は「気持ちいい、快い」ですが、ニュージーランドでは、「ありがとう」の意味でも使われています。
(注)ニュージーランド人はあまり「awesome」を連発しませんが、使います。
英語の形容詞に、ちょっぴり自分の感情をのせて言うだけです。コミュ力をアップするのに使える簡単な英語です。
コミュ力強化(5)なんでもYESと言うな!分からなかったら聞き返せ!
紹介してきたコミュ力強化の中で「なんでもYESと言うな!」というのは、日本人の留学生のみなさんにとって一番難しいことでしょう。
英語を学んでいる日本人の悪癖のひとつに、なんでも「yes, yes」と答えてしまうということがあります。
言われた英語が理解できなくてもYES
日本人は言われた英語が分からないときでも、つい「YES」と「うなずき」のセットで返答してしまうことがよくあります。
どうせ、何度聞き返してもわたしの英語力じゃ理解できないし…
と諦めていませんか。
分からなかったら聞き返す
分からなかったら「YES」と言わずに、聞き返しましょう。話している相手も、こちらがまだ英語に慣れていない日本人ということを考慮してくれ、別の簡単な言い回しをしてくれる場合もあります。別の単語を使ってくれたり、違う表現をしてもらうと、理解できるときがあるのです。
聞き返すときに使える便利な英語のフレーズを紹介します。
語尾を上げて聞き返しましょう。「かわいそう、ごめんなさい」の意味の「sorry」のイントネーションではありません。一番簡単に聞き返せる英語です。
「ワット ディ ジュー セイ?」このフレーズを覚えましょう。このフレーズは周りがうるさかったりして聞き取れないときに使います。英語の意味が分からずに聞き返すときにも使えます。パブロフの犬のように条件反射で使いましょう。
ニュージーランド英語は、イギリス英語が元になっています。アメリカ英語ではほとんど聞いたことがないといわれる「Pardon」は、まだまだニュージーランド英語の中では健在です。でも、今では年配の人しか使っていません。 高校留学生のみなさんは、あまり使わないでしょうね。
「What did you say?」と同じように丸覚えしてしまいましょう。言われた英語の意味が分からないときに使います。とくに、ここはきちんと理解しておかないといけないぞ、うやむやにしておけないぞと思うときに、使いましょう。
以上、ニュージーランドに留学する高校生のみなさんが、孤立から脱出するためのコミュ力強化5つの方法をお届けしました。英語もコミュ力も鍛えて、みなさんが留学中にたくさんの友達を作れますように。