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コロナウイルスで大打撃!ニュージーランド一番の観光地クイーンズタウン①【現状】

クイーンズタウンの夜景

コロナウイルス対策として、ニュージーランドは人命を優先するため、各国に先駆け早々と国境を封鎖した。ニュージーランド経済は、観光収益に頼るところが大きい。

そんな国が鎖国(=海外観光客が来ない)に引き続き、3月26日から全国ロックダウン(=国内観光客が来ない)を開始した。ご存じのとおり、ニュージーランドは世界でもまれなコロナウイルス「撲滅対策」を取ったのだ。

政府から12週間分の給付金が出ているとはいえ、特に観光業従事者は苦境に立たされている。ニュージーランド一番の観光地クイーンズタウンの人たちも例外ではない。

私は観光業従事者でもなんでもないが、ニュージーランドで一番大好きなクイーンズタウンがとても心配だ。知り合いで観光業を経営している知り合いもいる。

今回は、コロナウイルスで大打撃を受けた観光地クイーンズタウンの現状を紹介する。

大手アトラクション会社が無期限で営業停止

4週間のロックダウン中に、早くも大手のアトラクション会社が無期限で営業停止を発表した。ナイタフ・ツーリズム《Ngāi Tahu Tourism》だ。これにより、300-500人の従業員が職を失うこととなった。

  • クイーンズタウンのボートアトラクション「ショットオーバージェット」
  • ロトルアのファームショー「アグロドーム」
  • テカポ「星空観測ツアー」
  • フランツジョゼフ「氷河ツアー」

など、ニュージーランドの人気アトラクションを経営している会社だ。この会社はほんの一例だ。ロックダウンが終わっても開業しないまま廃業してしまう観光ビジネスも多いはずだ。

このニュースを聞いたとき、私もかなりショックを受けた。南島に住む私はいつでも行けるなと思っていたアトラクションが突然終わりを告げた。日本でいえば「東京ディズニーランド営業停止」くらいのショックだ。

数字で見るクイーンズタウンの観光業界

クイーンズタウンが、いかに観光収入に頼っているか数字で見てみよう。

クイーンズタウン観光業従事者クイーンズタウン人口の63.5%
その他の地域の観光業従事者地域人口の14%程度
海外観光客国内観光客
クイーンズタウン70%30%
その他の地域30%70%

コロナウイルスの影響を受けるクイーンズタウンの観光業従事者たち

5000人以上が援助申請

コロナウイルスのせいで大打撃を受けた経営者や従業員が、クイーンズタウン自治体に資金援助を申請した。その数は5000人以上にものぼる。(2020年4月22日現在の数なので、今後さらに増える可能性は大きい。)

資金援助申請者の保有ビザの種類
労働ビザ保持者72%
ワーホリビザ保持者9%
NZ市民権、移住権保持者19%

クイーンズタウンは、なんと8割の観光業従事者が労働ビザあるいは観光ビザの保有者だ。市民はたったの2割程度だ。

自治体は2400万円相当のスーパー商品券を配布

ロックダウン中、クイーンズタウンの自治体はNZ$380,000(2400万円相当)のスーパーの商品券を用意し、申請者6,800人に配布し始めた。

コロナウイルスの影響による失業者4,500人

2020年4月22日付けのオタゴ地方の新聞の一面ニュースによると、クイーンズタウンではコロナウイルスの影響で多くのビジネスが閉鎖を余儀なくされ、すでに失業者は4,500人にものぼる。

クイーンズタウン市長の切実な言葉

オタゴ地方の新聞《Otago Daily Times》に寄せられたクイーンズタウン市長の切実な言葉を引用してみる。

クイーンズタウンの失業率は25-30%にのぼるだろう

(I would suspect we’re looking at 25%-30% unemployment.)

クイーンズタウン市長Jim Boult氏

(クイーンズタウンのビジネスは)なにをやっても、しばらくの間は大不況となるだろう

(no matter what you’re doing – is going to be a bit of a bloodbath for a while.)

クイーンズタウン市長Jim Boult氏

ニュージーランドに初のコロナウイルスが発生してから2ヵ月も経っていないうちに、ニュージーランド一番の観光地クイーンズタウンが大変なことになっているのだ。

だが、ニュージーランド国民もクイーンズタウンの人たちも泣き寝入りはしていない。すでに、クイーンズタウンの今後の道を検討し始めている。

クイーンズタウンの今後については、こちらからどうぞ。『コロナウイルスで大打撃!ニュージーランド一番の観光地クイーンズタウン②【今後は?】』