ニュージーランド在住20年のあどぼうずです。
わたしは更年期、息子は思春期、おまけにリモート子育ての真っ只中です。 ふたりの息子はニュージーランド国内の男子高校寮に入っています。
同じ国内に住んでいながら、高校寮生活の息子の子育ては簡単なことじゃありません。 まして、まして、お子さんがニュージーランドに留学しているという保護者の方の心労は、測り知れません。
そんなみなさんのために、今回はリモート子育てのテクニックをご紹介します。 お子さんとなかなか会えない分、一緒にリモート子育てをしながら、遠い地の果てニュージーランドにいるお子さんとつながっていきましょう。
テクノロジー時代だからこそできるリモート子育て
息子が男子高校寮に入ってから、気付いたことがあります。
「テクノロジー時代だからこそできるリモート子育て」見出しのまんまです。スマホやインターネットがある時代で、ホント良かったわ~と毎日実感しています。
20年ほど前になるでしょうか。ニュージーランドの高校に来ていた日本人留学生のお世話をしたことがあるんです。 その時の留学生たちの日本への連絡手段は「電話」のみ。スマホを持っていない時代でした。
- 通話時間の制限がある寮の電話からかける。
- つたない英語でホストファミリーに許可をもらい、電話をかける
それも、日本から国際電話会社のプリペイドカードを持ってきて、電話をかけていました。
当時の保護者の方のリモート子育ては、「電話」または「手紙」だけだったのです。 今は本当にいい時代になったものです。スマホやPCはひとり1台、インターネットもWi-Fiもあります。いつでもどこでも好きな時に、お子さまとつながれる時代です。
それでは、リモート子育て10の秘訣の前半5つを見ていきましょう。
(1)スマホメールを送れ
お子さまの留学が始まるにあたって、「スマホ」は必須アイテムでしょう。 スマホメールは、リモート子育ての基本です。スキマ時間に簡単に送れるのがいいですね。
LINEやMessangerを使って、お子さんにメールを送りましょう。 これらのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のおかげで、画像やスタンプも送れるのが嬉しいです。
リモート子育て中に、お子さんにいつメールを送ったらよいのか分からないという方は、「ニュージーランド留学中の子供にスマホメールを送るベストな時間帯はいつだ?」をお読みください。
後日談:最近高校2年生の長男に、1日1回のスマホメールは「ウザイ」と言われてしまいました…「もう自分でできるから、いちいちメールしてくんな!」とのことでした。
日本に住んでいる保護者の方と、ニュージーランド国内に住んでいる私とでは状況が違います。でも、お子さんの年齢や性格を考えて、メールの回数を考えたほうがよさそうですね。
いまだに、高校寮のスタッフに朝起こしてもらってるくせに、よく言うよ…
(2) SNSで子供とつながれ
日本のいるみなさんは、LINEで人とつながることが多いかと思います。しかし、ニュージーランドの若者はLINEを使っていません。LINEの存在自体知らないのではないでしょうか。そこで、おススメのSNSを2つ紹介します。
Snapchat
ニュージーランドの高校生にとってSNSのナンバーワンは、なんといっても、「Snapchat」です。若者の75%が使っていると言われています。
Snapchatユーザーの高校生たちは、携帯のSnapchatへの通知設定をONにしています。そうすると新着メッセージをリアルタイムで受信できるのです。
(Snapchatでメールを送る)息子から即返事が来る
(iPhoneでメッセージを送る)息子からの返信は数日後、または返信なし
寝ている時以外は、ずっとSnapchatを見ているんじゃないかというくらい、返事が速攻で来ます。早く伝えたい要件は、Snapchatで送りましょう。
日本の保護者世代の方には、あまり馴染みのないSnapchatですが、リモート子育て中は、お子さん世代に合わせてぜひチャレンジしてみてください。
Facebook
ニュージーランドの高校生の間ではFacebook離れが進んでいるようです。でも、子供の人間関係を把握するのに、Facebookはまだ使えます。
自分の子供と友達になって、子供の他の友達を把握しましょう。自分の子供がFacebookに投稿しなくても、友達の投稿写真にちゃっかり写っている時があるのです。
リモート子育て中は、留学先のお子さんの友達に直接会うことは、なかなかできませんよね。でも、Facebookを使って、お子さんの周りにいる友達の「名前」や「顔」だけでも知ることができれば、みなさんも少しは安心できるのではないでしょうか。
(3) 子供のスマホ使用状況を把握しよう
長期で高校留学するお子さんは、ニュージーランドのスマホ電話会社で通信プランを契約するかと思います。お子さんのスマホ使用状況を把握しておきましょう。
ニュージーランドのスマホ会社は、アプリを提供しています。そのアプリをダウンロードすれば、スマホの使用業況が分かるのです。
例えば、わたしの次男の2019年5,6月のスマホプラン使用状況を見てみます。
- データ(1ヵ月の容量4GB)残り0MB
- メッセージ(無制限)4メッセージ送信
- 通話(無制限)86分
4GBを1か月待たずに使い切っちゃってます。 ちなみに息子たちの男子高校寮にはWi-Fiがあるんですよ。
youtubeばっか見てるのかー!? 宿題やってるかー!?
とか、想像できるわけですね。
通話時間がいつもの月より多くなっていたり、スマホの使用状況に極端な変化があったときは 「なにかあったのかな?」とか予想がつくわけです。
日本に住んでいる保護者の方は、ニュージーランドのアプリをダウンロードできないかもしれません。少なくとも、お子さんにはぜひスマホ会社のアプリをダウンロードしてもらいましょう。
(4)高校のポータルサイトを毎日チェックしよう
ニュージーランドのほとんどの高校が、独自のwebサイトに「ポータルサイト」を設置しています。
生徒の情報にアクセスできるインターネットの「入り口」のことです。
反対に、学校のwebサイトに「ポータルサイト」を設置していない高校には、お子さんを留学させないほうがよいでしょう。 それくらい「ポータルサイト」は大事なものなのです。
ポータルサイトには個別のユーザ名とパスワードが必要
ポータルサイトには、生徒の個人情報が書かれています。なので「ユーザ名」と「パスワード」を使ってログインしなければなりません。
高校から、全生徒に個別の「ユーザ名」と「パスワード」が与えられます。そして、保護者にも、自分の子供用の「ユーザ名」と「パスワード」が与えられます。同じ高校に兄弟で通っていたら、それぞれのユーザ名とパスワードが割り当てられます。
保護者用のユーザ名とパスワードは、自分の子供のとは違います。閲覧できる情報が違うというわけです。
リモート子育てにインターネットは欠かせません。個々に 「ユーザ名」と「パスワード」 があるのは安心です。
わたしたちが「保護者用のポータルサイト」から閲覧できる情報は、以下のようなものです。
- 子供の時間割ごとの出席状況
- 子供の成績表(入校した時から現在までのもの全て)
- 子供の教科ごとの授業態度レポート(数週間に一度)
- NCEAの習得単位数(進級、大学入学などのために必要な単位です)
- 高校でのクラブ活動
- 子供にかかる費用の残高照会
とくにリモート子育てをしていてありがたいのは、子供の時間割ごとの出席状況です。離れていても、自分の子供がきちんと学校に行っているか把握できるのは安心です。
(5) 高校寮の管理アプリを使いこなそう
上記の「高校のポータルサイト」では、子供の学校内での活動を把握することができます。
対して、ここで紹介する「寮の管理アプリ」では、子供の学校外での活動を把握することができます。
<ポータルサイト>子供の学校内の活動を把握
<寮の管理アプリ>子供の学校外の活動を把握
ニュージーランドの高校寮では、「寮生の外出入を管理するアプリ」を使っているところが多いです。わたしの息子たちが入っている高校寮では、以前はBoardingwareという管理アプリを使っていました。今年からREACHというアプリに代わりました。
自分の子供が、「いつ、何時から何時まで、どこにいる」という情報を、子供、保護者、寮のスタッフで常に共有しすることができるのです。
このふたつを使ってリモート子育てをすれば、子供と離れて暮らしていても、少しは安心できるというものです。
以上、『リモート子育て10の秘訣』の前半5つをご紹介しました。次回の『ニュージーランド高校留学のためのリモート子育て【10の秘訣】②』では、後半の5つの秘訣を紹介します。