ニュージーランド在住20年のあどぼうずです。
わたしは更年期、息子は思春期、おまけにリモート(遠隔)子育ての真っ只中です。 ふたりの息子はニュージーランド国内の男子高校寮に入っています。
みなさん、ニュージーランドの高校に偏差値がないのはご存知ですか。高校入試もありません。
お子さまのニュージーランド高校留学を検討しているみなさんは、「偏差値ないのに、どうやって高校を選べばいいの??」と思うのではないでしょうか。
しかし、安心してください。ニュージーランドの高校には「偏差値」はないけど、Decile(ディシール)という数値があるのです。
今回は、みなさんにニュージーランドの留学高校選びのときに、参考にしてもらいたい「Decile(ディシール)」についてお話します。
Decile(ディシール)とは
Decile(ディシール)とは、日本語に訳すと「十分位数」です。日本語で聞いてもよく分かりませんね。
統計解析において、データの相対的位置をみるのに用いる数値の一。度数分布で与えられた全データを十等分した点で、5番目の十分位数が中央値にあたる。
『デジタル大辞泉』「十分位数」より
スミマセン、ますますよく分からなくなってきましたね。
「なにかのデータに10段階の評価をつける」っていうことでしょう。
ニュージーランドでDecile(ディシール)といえば
ニュージーランドの教育関係者や、高校に通っている子供がいる保護者なら、Decile(ディシール)という言葉はよく耳にします。
ニュージーランド高校留学を検討中のみなさんの中にも、留学エージェントなどで、このDecileという言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
「学校がどのような経済環境の下にあるかを10段階で表している」数字のことです。
ニュージーランドの小学校から高校まで全学校に、1から10までのDecileが付いています。国民調査などを参考にして、ニュージーランド教育省が、各学校にDecileの格付けをしているのです。
Decile「1」の学校は、 社会経済的に恵まれない地域社会に住む生徒の割合が最も高い学校(ニュージーランド全学校の10%)
Decile「10」学校は、 社会経済的に恵まれている地域社会に住む生徒の割合が最も高い学校(ニュージーランド全学校の10%)
学校のDecile(ディシール)評価が変わるとき
ニュージーランド教育省から格付けされたDecile(ディシール)は変わる場合もあります。 以前わたしが日本語を教えていた公立高校を例にとってお話します。
あるとき、勤めていた学校のDecileの数値が「7」から「6」に下がったのです。
理由は、Decileの数値が下がった数年前に、その高校がある地元の中堅規模の会社が倒産したからです。つまり、この地域は失業者が増えたと教育省から判断されたわけです。学校のある地域の経済状況によって、Decileは変わるのです。
大幅にDecileが変わるケースは多くはありません。しかし、高校のDecileの数値が1つ2つ上下することはよくあります。
なぜニュージーランドの学校にDecile(ディシール)が必要か
みなさん、ニュージーランドの学校のDecile(ディシール)が、その学校が所属する経済環境を現しているということは分かりましたね。
ニュージーランド政府はDecile(ディシール)を参考にして、各学校への補助金を決めているのです。 Decile「1」の学校には補助金が多く出て、Decile「10」の学校には補助金が少ないという具合です。
Decile10の学校に子供を通わせてる家族はお金持ちでしょ。学校で足りない分は自分たちで賄ってっていうことね。
留学先の高校選びにはDecile(ディシール)を参考にしよう
一概に、「経済状況の良い環境下にある学校」イコール「優秀な学校」 とは言えないでしょう。
でも、「経済状況が安定している家庭」イコール「子供に安定した教育を提供できる」 とわたしは思っています。
もちろん、わたしたちが息子の学校を選ぶときにも、このDecileを参考にしました。 ちなみに、わたしの息子が通っている男子高校のDecileは「9」です。
ニュージーランド高校留学を検討中のみなさん、このDecileを参考にして、よい留学先の高校を見つけてくださいね。