大学の友人のひとりがオーストラリアに住んでいる。去年、彼女の住むゴールドコーストに同窓会旅行をして以来、LINEグループでひんぱんに連絡を取り合うようになった。
コロナ対策が世界で高く評価されているニュージーランドだが、嬉しいことに、お隣オーストラリアのコロナ対策も成功しつつある。
最近友人とLINEチャットで話すことは、もっぱらコロナについてだ。今回は、ニュージーランドの南島のド田舎に住む私と、オーストラリアの最大観光地のひとつゴールドコーストに住む友人の、お互いの国のコロナ事情を紹介してみる。
コロナで品薄売り切れになった商品
まずはべたな話題、コロナで品薄売り切れになった商品を紹介する。
トイレットペーパー
友人の住むゴールドコーストでは3月の初旬にトイレットペーパーが売り切れたそうだ。
まじかよ~。買えなかった!トイレットペーパー…
オ―ストラリアではコロナ発生当初、トイレットペーパーが売り切れで、スーパーではケンカになったというニュースがあった。
私の住む町ではトイレットペーパーは売り切れず、品薄状態といったところだ。ただ安い特大パックは売り切れ、ふき心地のいい高級トイレットペーパーが売れ残っていた。田舎町だからか、買占めに走る人もいなかった。
ニュージーランドでコロナが発生したのは2月28日だ。それまでは他国のコロナパニックを傍観していたので、私はスーパーへ行くたびにトイレットペーパーを1パックずつ買っておいた。
炭水化物
ニュージーランドでもオーストラリアでも、米、パスタ、小麦粉が売り切れ品薄となった。とりあえず炭水化物があれば生き残れると考えるのは、どこの国でも同じか。
オーストラリアの米ブランドに《SUN RICE》というのがある。私が4月上旬に最後の1つをゲットしたと話したら、ゴールドコーストでは自国ブランドの《SUN RICE》の米が2月上旬には店頭から消えていたとのこと。流通の仕組みがよくわからない。
マスク
ゴールドコーストではマスクがトイレットペーパーと同時期に売り切れ。ちまたではアジア人が買い占めたと言われていたそうだ。
かたや、私が住む田舎町の人たちは私も含め、マスクがどこで買えるのか知らない!厳しいロックダウン中でも、スーパーの客でマスクしてる人を見たのはひとり、あと私。仕事で必要な人以外は、たぶん薬局で買えるんだろうなと思うくらいで、買おうと思う人は少ない。
ニュージーランドでは、コロナ防止として「マスク!マスク!」と叫ばれてはいない。
消毒ハンドジェル
私の住む町、地域では、たぶん消毒ハンドジェルが一番最初に売り切れた商品だと思う。2月の時点で、消毒ハンドジェルは全種類売り切れ。噂によると、ニュージーランドに住む中国人が買い占め、自国の家族知人に送っているということだった。
魚肉野菜タマゴ納豆
友人の住むゴールドコーストは、さらにいろいろな商品が売り切れ続出だったそうだ。
前述の米の他、魚、肉、野菜、タマゴが品薄状態。日本食料品店では納豆が売り切れだったそうだ。
米、魚、納豆は、日本人の残しておいてほしいよ…
友達が買い占め側に回るの見ると、友達やめたくなる…
海外から帰国した自国民に2週間の自己隔離
ニュージーランドは現在鎖国中だが、海外から帰ってきた自国民にも2週間の自己隔離を義務付けている。
オーストラリアは2週間の自己隔離に加え、海外渡航歴を隠して仕事に行ったら、最大500万円ほどの罰金かもしくは刑務所いきだそう。
オーストラリアのコロナ対策違法者への罰金は高額!
コロナ対策が似ている2国だが、オーストラリアのほうが罰金、刑罰を前面に出して国民を取り締まっている気がする。ニュージーランドでももちろん非常事態宣言のコロナ対策に違法者はいるけれど、罰金や刑罰の詳細はメディアであまり発表されない。
オーストラリアの100万超え罰金、ポリスは取る気満々だからね。怖いよ
クイーンズランドで罰金$1334課されたの400件超えたよ。12万円のⅹ400だから、4800万円警察稼いだんだね。
ニュージーランドのロックダウンとオーストラリアの厳しい規制
ニュージーランドのロックダウンは厳しいと世界で話題になっているが、オーストラリアのモリソン首相は
ロックダウン、ロックダウンって世界では言ってますけどね、オーストラリアには必要ありません。
オーストラリアのモリソン首相
というようなことを会見で笑いながら話していた。
だからといって、オーストラリアがなんのコロナ対策もしていないというわけではない。友人によると、
- 全レストランは閉鎖
- 州をまたいだら2週間自宅謹慎
- 学校は休校
など、ロックダウンといってもいいような厳しい規制がある。
コロナ対策について具体的な数字を国民に提示
ニュージーランド、オーストラリアのコロナ対策の共通利点のひとつは、詳しい数字を国民に提示しているということ。
- 集会(葬式、結婚式含む)は10人まで
- 外出は自宅から50㎞圏内まで
- スーパーへは家から代表者が1人で行く
- 70歳以上は家から出ないこと、など
国から具体的な数字を提示してもらうと、国民は自分たちがなにができて、なにができないか理解できる。
外出8割減
などいう抽象的なことは言わない。
国が最悪のコロナ事態を想定
オーストラリアの厚生省は、最悪で人口の25%がコロナに罹患すると想定していたそうだ。
ニュージーランドでも、
- 毎日千人単位で罹患者が増えていく
- イタリアのようになる可能性もある
- 人口の1%が罹患したら医療崩壊
など、最悪のコロナ感染事態を想定し専門家や厚生省が国民に発表していた。両国とも、この最悪の事態を避けるために厳しいコロナ対策を取っているのだ。
国民を警察が取り締まる
ニュージーランドもオーストラリアも、コロナで不要不急の外出や集会を禁止しているが、警察が取り締まっている。日本のように政府からの外出自粛要請ではない。
ニュージーランドは非常事態宣言をしたとき同時に、政府や警察が通常以上の権力を行使できるようにした。これにより、警察はコロナ対策違法者を取り締まったり、道を閉鎖したりできるようになった。
数回のオーストラリア旅行で思ったことだが、オーストラリアの警官は威圧的でこわいイメージがある。ゴールドコーストの友人も言っていた。オーストラリア国民はコロナ時だけでなく、ふだんから警察に対して畏怖の念を抱いているそうだ。
国が航空会社に莫大な補助金を支給
コロナの影響で、世界的に国際線の運航がない今、航空会社は大打撃を受けている。ニュージーランドもオーストラリアも、自国の航空会社に莫大な補助金を出した。厳密にいえば、ニュージーランド政府は、ニュージーランド航空にローンを9%の利子を付けて貸し出した。
これは、賢明な国ならどこでもしなければならないことだ。自国の空港会社が借金で首が回らず、海外資本に買い取られるっていうのは、国家として避けなけらばならないこと。海外資本に自国の空路をコントロールされるわけにはいかない。
大学の費用は子供が自分で借金して払う
コロナの影響で日本では、子供の大学の学費が払えないという話を聞く。ニュージーランドでもオーストラリアでも基本的に大学に行く本人が学費を支払う。
大学は自分が出す。一旦社会に出て、大学の学費貯まったら行くとか、就職しながらオンラインで大学出るとか、政府にお金借りて無料で大学出て、就職してある一定の稼ぎになったら、自動で税金みたいに天引きされる。
コロナ撲滅に対してスピリチュアル志向がない
日本のコロナ関連のニュースを見ると「ん?」と思うことがある。
- コロナ終息のためにみんなで祈祷を捧げる
- がんばればコロナを退治できる
- 引き続き努力をお願いします
オーストラリア国民もニュージーランド国民もコロナ撲滅に対して、スピリチュアル志向がない。
神に祈って、どうしたらよいのかアイデアをもらうというのはあるけど、すごい実質的に考えるよ。
祈祷を捧げたり、がんばったり、努力したりするのを否定しているわけではない。私だって神頼みする。ただし、それだけではない。ニュージーランド国民やオーストラリア国民は、もっと現実的で実質的な考え方をする。
バカなことはやめろ!今すぐ集会を中止にしろ!
ニュージーランドはロックダウンが解除されたが、非常事態宣言のLevel3では、結婚式と葬式以外の集会は禁止されている。そのコロナ対策の違法者に対して、財務大臣が会見で言った。
バカなことはやめろ!今すぐ集会を中止しろ!
日本のように、自粛のお願いなどしない。
全体的に考えたら自分は我慢した方がみんなの幸せになる
ニュージーランドもオーストラリアも、コロナ撲滅に成功しつつあるのは、オーストラリアの友人のLINEのコメントに集約される。あまりにも感動、共感したので全文を引用してみる。
オーストラリアだと、民間より政府が強い。多少腑に落ちないことがあっても、政府に逆らったら自分が損すると刷り込まれてるし、多少自分が不服でも、全体的に考えたら、自分は我慢した方がみんなの幸せになると思っている文化が根付いてる。だから、政府を信頼して、ついていくんだよね。
オーストラリアの友人のLINEコメント
大学時代から切れ者、博学、口達者の友人、さすがだ。ニュージーランドの国民意識も同じだ。両国とも政府のもと国民が一丸となってコロナ撃退に邁進している。
以上が、ニュージーランドに住む私とオーストラリアに住む友人がLINEで話したコロナ事情だ。
世界中のコロナウイルスが早く終息しますように。